【コンビニ人間】社会不適合者が正常に見える世界。

日本は巨大なムラ社会でごわす。

 

コンビニ人間

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二人の社会不適合者が持つ説得力

主人公ともう一人「白羽」という人物、本書においては

この二人がいわゆる社会不適合者という位置づけである。

 

主人公は、

-十数年同じコンビニでアルバイトとして働き続けている

-一度も就職していない

-結婚してない・彼氏なし

-現在30代後半

 

まぁ特にこれといって問題がないように思うが、

他人からすると将来どうするんだろう?とか思ってしまう。

 

また当人からするとそれ自体に特に違和感を感じていない。

 

白羽も同じように就職せずに転々としている。

ネットビジネスのアイデアはあるというが、女性に対して

ストーカーのような接し方もしてしまうような人物。

また口も悪くすぐに「底辺」などの言葉を使い、他人への陰口が多い。

 

ただ、白羽については現状を変えることができない不甲斐ないを社会や周りのせいにしているだけのような人物で、ある意味天然の主人公とは違う

 

まぁ確かに実際身近にいたら距離を取ってしまいたくなるような

二人だが、特に口数の多い「白羽」の言葉は的を射ているように思えた。

 

それはある意味、現代社会のムラらしさへの皮肉にも聞こえた。

 

 

裁判をしたがる「普通」な人たち。

一般的な人というべきか。

 

白羽が

「普通の人間っていうのはね、普通じゃない人間を裁判するのが趣味なんですよ。」

的な発言をしていた。 

 

確かに主人公や白羽のような人たちをを見ると、

身内や周りの大人たちは特にきっと説教したくなるだろう。

 

実際にそれに近しいシーンもあった。

 

これはネット社会でのあるあるとも言えるわけだし、

それは排除が目的か型にはめることが目的か。

 

全くの無関係な人達までも口出ししてくる状態というのは

確かにありうる。

 

多様性という矛盾

多様性という言葉を多用しながらも、すぐに型にはめたがる。

周りは、働け、結婚しろ、子供産め、と言う。

 

確かにそう。それが普通だと思っているし、社会全体としても

そういう空気があるだろう。

 

ただ、それを望んでない人もいるわけで、そういった人たちを許容するような意味合いは、多様性という言葉におそらく含まれていないだろう。

 

 

「あなたのことを思って」という予防線

大人は相手を"裁判"にかける際に、「あなたのことを思って」とよく表現する。

保険入ってる?とか、将来のこと考えている?とか、

人の生活に対してデリカシーなく踏み込み、最終的には「あなたのことを思って」と表現して、自己保身を行う。

 

そもそもなぜ全くの赤の他人の「保険」のことを口出しするのか、

実際の所不思議ではある。

 

自身が正常であることを証明したいのか、なんなのか。

 

 

幾分か自分を捨てて周りに合わせて生きていくことのほうが

普通であるということを再認識できた本ではあった。

 

なかなかおもしろかった。

 

 

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